「京の名酒フェスティバル2013」に行ってきました!!

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少し前ですが、2013年6月21日に「京の名酒フェスティバル2013」というイベントが、ホテル日航プリンセス京都で行われました。

今回は、京都の16の蔵元が出展、約50種類のお酒が用意され、おかわりもできて好きなだけ飲めるという、なんとも太っ腹な企画です。

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京都といえば何といっても「伏見の酒」が有名です。昔から伏見は水に恵まれ、優れた日本酒を造り続けてきました。

しかも今回は伏見だけでなく、洛中(京都の中心地)や城陽(京都府南部)などの蔵元も出展しているとのことで、どんなお酒が出てくるのか期待がふくらみます。

前売り券を和服のスタッフの方に渡すと、おちょこを渡されました。持って帰ってもいいとの事です。

お酒を飲む前から即売会に並ぶ方々がたくさんおられたのも印象的です、お店では中々手に入らないお酒など、すでにお目当てのお酒があるのでしょう。しばらく別室で待っていると、いよいよオープン時間が来て、お酒の置いてある部屋の扉が開かれました。

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壁際にぐるりと蔵元のブースと有料のフードのコーナーがありました。

会場の中心に置かれたテーブルには水がたくさん用意されていて、できるだけ水を飲んで舌を洗うだけではなく、悪酔いしないようにという配慮が感じられました。

この水のことを、日本酒の世界では「和らぎ水」と呼ぶのだそうです。

日本酒は蔵元イチ押しのものばかりが並べられ、酒の品質に気合が入っているだけに、実においしいお酒ばかりで驚きました。日本酒嫌いの人の好みさえ変えるのでは?と思うくらい良いお酒ばかりでした。

ふと気づくと、20種類くらいのお酒を飲んだところで、自分の体に急にストップがかかりました。もう一滴も入らないと体が訴えています。本当は約50種類全てのお酒を呑んでみたかったなぁ……しかし、酒に飲まれて体を壊しては何にもなりません。後ろ髪引かれる思いで、会場を後にしました。

今回は大吟醸を中心に飲んでみたので、もしも来年以降に行くことが出来たら、今度は原酒中心にトライしてみたいです。

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お酒の販売も行われていました。

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お約束のパンフレットたち(笑)

イベントに行った帰りはこのパンフレットを読むのが密かな楽しみなのです。こういったブログで写真や文字の配置センスを磨くことが出来るし、日本酒の表現など色々見たりしています。

 

 

キンシ正宗

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とりあえず、受付でもらったパンフレットの最初に書いてあった「キンシ正宗」さんのブースに行ってみることにしました。

まず目に付いたというのが何かのご縁でということでしょう。

こちらには3種類、「純米大吟醸」「平安のしらべ」「粋な酒」とあって、まずどれにするか悩みましたが、まずは「純米大吟醸」を飲んでみることにしました。

はっぴを着た会社の方に、おちょこに注いでもらって一口飲んでみます。もともと洗練された大吟醸ということもあって、雑味がなくて、それでいて梨か何かのような、爽やかでフルーティな香りが優しく広がる、本物の水以上にきれいな水のような味がしました。

イメージとしては、朝焼けのやさしい黄色い空のような突き抜けた光景が広がる感じで、このお酒を口にして、良い日本酒は景色さえ見せてくれるものだと思いました。

「京都」の地にこだわった酒造りをされているキンシ正宗さんは、京都の文化を継承・発展させることをモットーにしています。京都の食文化は、京都の水とは切り離せません。キンシ正宗さんでは、酒造りの水を「命の水」と呼び、敷地内にある「常磐井」から湧き出る水を酒造りに使っています。

キンシ正宗さんの、命の水やそれに代表される酒にかけるこだわりが続く限り、これから先、ずっと後の世代の人々も、この綺麗な味のお酒に出会い続けることができるでしょう。

株式会社増田德兵衞商店

ここで有名なのは、なんといっても「月の桂」です。月の桂は京都の代表的なにごり酒で、初冬ごろになると「月の桂 にごり酒入荷」と京都の何軒もの酒屋の店先に紙が貼られ、季節を感じながらお酒を飲みたくなります。

このフェスティバルではその増田德兵衞商店さんの純米大吟醸酒が飲めるとあって、さっそく飲んでみることにしました。

一口飲むと、口の中でシュワッとスパークリング! はじけながら、酸味と甘味が上品で心地よく口の中をくすぐります。でも、驚いたのはそのあとです。普通のにごり酒はそのまま舌に酸味と甘味が残る感じなのですが、このお酒はにごり酒の感触が口の中からすっと引いて、クリアな後味だけが残りました。

口を一瞬エンターテインメントのように驚かせて、お酒の世界に引き込み、前の料理から次の料理に移っていくモードにする、そんな感じがしました。料理の味を邪魔せず、でもお酒のおいしさの印象は強く残す感じです。

一般的ににごり酒は食事によく合う、といわれますが、特にこのお酒ならどんな料理にも合いそうです。

聞くとこのお酒は、ニューヨークの4つ星レストランでも出されているとのこと。また、ちょうど海外から取材があったということで、新聞の切り抜きが置いてありました。国際的に愛される、納得のいくおいしさです。

さらに、このお酒には「祝(いわい)米」が使われています。祝米とは、京都で生産される酒造りに適した米の品種ですが、一時は他県産の品種に押されて廃れかけていたのを、伏見酒造組合が中心となって再び栽培されるようになったということです。

増田德兵衞商店さんでは、米農家と提携して栽培しているそうです。しかも無農薬栽培だというところに、素材の大切さを知り抜いているのを感じます。にごり酒にこだわりぬいた、増田德兵衞商店さんならではのお酒でした。

玉乃光酒造

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「玉乃光」は全国にファンが多く、人気のある蔵元の一つです。

今回はまず「大吟醸酒 備前雄町100%」をいただいてみました。

鮮烈な水のように喉を流れ、同時に酒本来の力強さも併せ持つ味は、米の味がきっちりと主張していて、大吟醸酒らしい飲みやすさと、王道の日本酒らしい印象を受けました。しっかりと腰の座った日本酒を堪能したという満足感があります。

京都産の「祝」という酒米を使った「純米吟醸 祝」も優しく爽やかな味わいで、米の味をよく生かした日本酒だと思いました。

玉乃光酒造さんでは、戦後、アルコールを添加するお酒が主流だった頃から、業界に先駆けてあくまで米100%の純米酒にこだわり抜いてきました。「本当にいいお酒は米だけで作られるものだ」という信念からですが、アルコール添加酒の値段の安さに押されて、純米酒の売上はなかなか上がらず、苦しい経営を強いられてきました。

しかし、品質の良いものは認められるも一方アルコール添加酒の売り上げは、2007年にこれまでの40%に落ち込みました。また一方で純米酒は2008年、本醸造酒の売り上げを上回りました。これは日本酒業界における大きな転換とも言える出来事です。

「純米酒ルネサンス」つまり、純米酒の復興と再生という玉乃光酒造さんのキャッチコピーは伊達ではありませんでした。これからも、純米酒にこだわり続けて、本物の純米酒を造っていかれることでしょう。

城陽酒造

京都市外の、京都府南部の城陽市で酒造りをされているということで伏見の酒とはどこが違うのか、いったいどんなお酒を造っているのか、パンフレットを見て特に興味を持っていました。

そんなことを思いながらブースに行くと、酒瓶を手にはっぴを着たスタッフの方に「甘いですよ」と何度も念を押されてから「純米大吟醸 城陽 山田錦」をおちょこに注いでくれました。おそらく、辛口が好きな方が多いのでしょう。自分自身、日本酒を飲む時はだいたい辛口を選びます。しかし、せっかくの機会ですし、ここはあえて甘口にも挑戦してみました。

一口飲むと、甘口を苦手だと思っていたのが勿体ないくらい、味わい深い甘さが口の中に広がりました。

安物の日本酒の甘口にありがちな、くどくてべたついたような甘さは、後味まで悪くてイヤなものですが、このお酒はまるで色々なフルーツの味や香りが溶け込んだように、絡み合った味わいは芳醇で、さらに後味は爽やかといえるものです。

伏見の蔵元との違いと言えるかはわかりませんが、この味には城陽酒造さんのこだわりを感じました。甘口もきちんと手をかけておいしく作ってさえいれば、とても魅力的な日本酒になるものだと思いました。

どういうところに手をかけているかと言えば、酒米は京都府産のものに限り、水は酒蔵の近くの木津川の伏流水を使用しているのだそうです。もちろん、酒を造る職人の技があってこそそれらの素材を生かすことができるのは、言うまでもありません。

なお、城陽は梅の有名な産地。そこで地元同市でコラボして、梅酒も作っています。